決意して行動する事


「小さな山とエベレスト」

エベレストの女性初登頂した田部井淳子さんの話を聞いた。
凄く良い話だった。
人それぞれ解釈の違いはあるかもしれないけど、
私は良かった。

もちろん、話を聞く前から、「エベレスト」と言えば世界最高峰の山である訳だから、
ちょっとやそっとの思いで実行出来るものでない事くらいは簡単に想像がつく。
でも、話しを聞いてみて、やはり深かった。

因みに、新宿事務所の近くに成子天神社があるが、そこに富士塚という人口の山がある(詳細は別の機会にでも)。
公開される時期が決まっていて普段は登れないが、
標高12mだから、なんの準備もなく簡単に登れる。
私も二回程登った。
一年中公開されていたら、
それこそ散歩代わりに毎日でも登れる。
なんの決心もいらない。

もうちょっと高い標高50メートル位の山が近くにあれば、
きっとこれも、なんの心構えもなく、ひょいっと登れるだろう。
それが、高尾山位になったら、どうだろう?
ミシュランで紹介されてから混みだしたけど、
それ以前だったら、土日などに気楽に登れた。
流石にハイヒールでの登山はなめ過ぎの感はあるが、
普段着で散歩の延長の感覚で登れる。

富士山(富士塚ではなく、本物)だったら、どうだろう?
冬は間違いなく危険なので、やめて、
夏に登る事にしよう。
流石に普段着だとやばそう。
考えの浅い人が半そで半ズボンで登ろうとして、その浅はかさを非難されているが、
ちょっとした準備で登れる筈。
(因みに私は徹夜明けに部下に誘われて富士山に登山して、八合目あたりの小屋で飯を食べてから爆睡してあとで合流して下山した経験がある)

それが「エベレスト」に登頂となると、気楽でない事が想像は出来るが、
田部井さんのお話しでは想像をはるかに超えていた。

四年の準備期間をして費用は当時で総額4300万円もの大金が必要だった。
1975年にこれだけの費用と準備期間をかけていた事に正直驚いた。

最初の一年は情報集め。
二年目、三年目、四年目と年毎に段階を経て、装備を自分たちで考えたりしながら備えていた。
それも驚きだった。
(水筒の代わりにマヨネーズの容器を利用した話し。星型の水を飲んだ話しも面白い)

スキルのある女性を集めたのだはなく、登りたいという意思の強い人を集めたらしい。

それに関する、コンロの話しも深い話しだった。
「エベレスト」の様なところでは、コンロは全てにおいて絶対的な必需品であり、
それが万一壊れていたら致命的だそうです。
死ぬかもしれない。
登りたいという意思の強い人であえば、人のせいにせず、なんとか出来る可能性がある。(細かい話しは少し忘れたの聞いていた方、間違っていたらごめんなさい)
そうでない人だったら、
「誰がこのコンロを準備した?」と言って準備した人を責めるかもしれない。
あるいは「誰がこのコンロを買った?」あるいは「このコンロを売った店が悪い」とか、あるいは「このコンロを作ったメーカーが悪い」とか言う。
命に関わる状況でそんな事を言って責任転嫁していてもしょうがない。
生命が危ない。
だから、現場でそういう状況になった時に他人に責任転嫁するのではなく、
すばやく状況を判断して、故障の原因を考えたり、
修理出来る事が大事である。
自分に信念の無い人は他人のせいにしがちである。
だからこそ、強い信念と決意と行動力ある人を優先して集めたのだろう。

女性達だけ、日本中から一か所に集まって打合せや準備や訓練を段階的に四年間の間継続をする。田部井さんが「エベレスト登頂」を決意(以前にカモメの話しを書きましたが)した時には、
三ヶ月のお子さんがいたそうです。
それから、四年間の準備期間を子育てしながら実施して行くという行動を実際に起こした訳だから凄い。

今なら、「育くメン」が多くなり、子育てを協力してくれる旦那さんも多いけど、
当時はやはり少なく、大変だったらしい。
紙オムツがなかったらしいので、オムツを留守の期間の分を山高く準備し、
家中のナベにおかずを準備したりしてから、
仲間たちの集まりに行っていたとの事。

でも、彼女が好きで始めた事なので、旦那さまの協力を強制するのではなく
感謝の気持ちとともに準備で乗り越えて来たらしい。
主婦としてやる事をやったうえでの行動をとる事でご主人を納得させていた。
深い。

でも、帰宅途中、少しでも早く帰って炊事をしようとスーパーで両手一杯の買い物をして帰宅すると、
ご主人は一生懸命やってくれたけど、
台所は洗い物で溢れていたそうです。
「男性は奥さんが戻ると直ぐに夕食が出来上がると思っているらしい。奥さんの顔を見たとたんになんにもしない。」
田部井さんは先ず、洗い物をしなければ、ご飯も炊けない。
そんな時、文句を言うとダメだとぐっと我慢したそうです。
しゃべると文句を言いそうなので、何も言わずに黙々と洗い物をしたそうです。
そうすると、ご主人は寝そべりながら横目で洗い物をしている姿をみながら、
洗い物をしないとご飯を作れない事を学習してくれたそうです。
だから、次回からは洗い物はしてくれていたそうです。

そして、奥さんが帰る前にご飯くらい炊いていた方が、自分が早く夕食にあり付けれる事を学習したそうです。
そのうち、お味噌汁くらいは準備してくれるようになったそうです。
自分のやりたい事を実現するうえでの夫婦の協力の姿の理想かもしれませんね。
片方が強要するのではなく、人を動かす時の真髄を教えて貰った気がします。
私も参考にしうようと思います。
田部井さんが「エベレスト登頂」を強く決意し、強い信念と思いで行動しているからこそ出来る事だと思います。

これも意外だったのですが、「エベレスト登頂」は長い一年の内に春と秋の二回しかチャンスはないそうです。
山頂付近は強烈なモンスーンが吹いていて吹き飛ばされるそうです。
5月5日~5月15日位が一番ベストなときらしいので、その期間に目標を絞ったそうです。

準備期間も含めて1700日。登山に要した期間が十分の一の170日間(もし記憶間違いならすみません)。
ましてや山頂にいたのは凄い短い時間。
それこそ、1700日から比較したら一瞬かもしれない。
でも、その短い時間の一瞬の為に「四年間の準備期間」を費やし、行動し、達成した。

その僅かの期間の為に要する期間が、10倍の期間。
十倍の準備期間があってこそ、得られる感動だからこそ価値があるのかもしれません。

準備の大切さを知るというより、むしろ、準備期間にこそ大きな価値があるのかもしれません。

山頂に立って、達成感に浸っている僅かの瞬間の為に四年間の準備期間とそれに伴う苦労がある。
四年間の準備期間にこそ価値があった。

我々がなにかを達成しようと思った時、その目標が成子天神社の富士塚程度の標高であれば特別な準備は必要ないかもしれない。
でも、人生の後半をかけて実現したいと思った事業などであれば、それなりの覚悟と準備が必要である。
また、田部井さん以上に周りの協力者の為に協力を強要するのではなく、自らの役目を果たしてこそ協力が得られる。

しかし、女性って強い!
我々男性が仕事や事業に燃えたくなるのは、もしかしたら女性の様に出産を経験できないからかもしれない。
自分も入院したきに、おチンチンに管を挿入されたり、カテーテルを入れられた時は痛く辛かった。
でもその痛さの何十倍も何百倍も痛い思いをして我々の母親は我々すべてを生んでくれた。

凄い。
男達はビジネスや商売に成功して威張るけど、一つや二つの事業を成功させるより、
子供一人を無事に産んで、成人まで育てる事の方がどんな仕事より偉大であり、価値がある。
我々男性はせめて一生懸命仕事を成功させる事で疑似的に出産をするしかない。

ある女性が話してくれたけど、鼻の穴からスイカを出すくらいの痛さだと聞いた時、
その話だけで貧血を起こしそうだった。
また私の悪い癖で脱線したけど、田部井さんの話しは非常に深いお話だった。
もう一度キチンと聞きたい。

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