電子書籍に関する議論がオープンな場で深まることを期待して!!(1)


ども、ワタナベ@booKNOWの中の人です。

とある雑誌に掲載されていた「漫画作品が勝手にスキャンされている!!」という記事を興味深く読みました。2011年9月5日、出版七社連絡会事務局殿の質問状への回答をサイト上に公開した際、booKNOWとして以下のコメントを掲載しました。

出版七社連絡会事務局殿の提起を受け、電子書籍に関する議論がオープンな場で深まることを期待し、弊社の回答内容を公開いたします。

電子書籍に関する議論がオープンな場で深まることを期待し、その記事を読んで思ったことなどをつらつら書いてみたいと思います。

1冊のコミックスが生み出されるまでには漫画家の努力はもちろん、たくさんの人間の協力が必要です。(引用)

具体的な社名や雑誌名は紹介いたしませんが、2008年にカラー原画紛失問題で漫画家に提訴されていた出版社です。また敬愛する赤塚不二夫先生の「レッツラゴン」に登場する名物キャラクター「武居記者」の所属会社です。漫画というメディアにとって「功罪相半ばする」存在であるところの当事者が、わざわざ自社名を掲げて、こういう文章を発表することの意義は非常に大きいと感じました。

「武居記者」こと武居俊樹氏には「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」という著書があります。私の大好きな本のひとつで時々読みかえします。武居氏の編集と漫画家との共闘という他には得難い経験が非常にうらやましく、時に爆笑、時に涙。全てキレイゴトではありませんが、これは出版社と漫画家との「功」の部分に属するお話ですね。

一方、原画紛失問題をきっかけに漫画家から「絶縁」まで宣告され、世間に負の印象を与えた例の訴訟の件。当時、このニュースを聞き、非常に心が痛んだ記憶があります。これは「罪」の部分に属するお話。

今回この記事が雑誌に掲載されたことについて、「罪」の部分を棚上げされず、「功」の部分から書かれたものと信じたい!! と思わずにはいられません。それは「祈り」にも似た気持ちです。

「自炊」については、電子書籍を広めるための一つの側面にすぎず、面倒な労力と時間とお金をかけずとも、簡単に入手できる流通体制ができてくれれば、その歴史的役割を終え消えていく存在だと思います。そういう意味では、この記事の趣旨に賛同します。

出版社は、漫画家に十分な収益を還元していくことを大前提として、漫画をいろいろなデジタルデバイスで読者に提供する努力をしています。(引用)

…と言ってますけど、正直、まだまだ努力が足りていませんよ。
9月28日、Amazon.com プレスカンファレンスでジェフ・ベゾス氏が行ったKindle Touchのプレゼンを見て、正直どう思っているのかお聞きしたいです。
どうぞ、その努力を向ける方向を間違わないように気をつけてください。

努力が実り「自炊」などという過渡期の産物が、歴史のくず籠のかなぐり捨てられる日が一日も来てほしいと願っています。電子書籍があたりまえに流通し、紙と電子との間で棲み分けが完了することで「自炊」は淘汰されていくことと思います。

とりあえず、今晩はここまで。

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